▶第41話迄のまとめ
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舞台設定 2007年10月
メインストーリー
全ての印章が少しずつ欠けて、全ての印章から余りのパーツが出る。於菟はそれを組み合わせ『13番目の印章』を作った。
産まれる直前の子に背負わせると、5歳を待たずに死んでしまう。人が持つには重過ぎる人工の印章。13番目の印章は、子と共に消滅。
しかし意図せず、本来は存在しない13番目の印章を持ってた子が此の世に産まれた。13番目の印章は此の世界に完全に組み込まれてしまった。
通称『アダムの印章』
持ち主が死ねば新たな持ち主が産まれる。
其れを現在持っているのが桜海。
開かずの間に閉じ込めてある『宇宙を模した物』を作った事で発覚。
けれども桜海が持っているのは其の半分。
其れがOriginal。
対して、もう片方はSin。
通称、『イブの印章』
後発である『イブ』の印章を持った者は追って12年以内に産まれる。
アダムはイブを捜そうとし、イブはアダムを捜す様に出来ている。
アダムの行動決定はイブにあり、イブ』の意思決定は『他者』にある。
イブの印章の別名は『禍の印章』
イブが禍を招こうとすれば、アダムは手を貸す。
アダムの印章を持つ桜海をイブの印章の持ち主と会わせてはいけない。
故にまりかに知らせる事なく『イブ役』を押し付け続けて、『アダム』側に本来の『イブ』を誤認させ続けてきた。
そして今もなお、開かずの間を封じる為に死を選び、中央に留まり続けるまりか。
「だったらさ。
怜莉は『アダム役』を
押し付けられていたりしない?」
─第40話 梶の台詞より
更に質が悪い事に歴史が繰り返すうちに『アダム』に出来る事は近代の『イブ』も出来ると推測される。
【登場人物】
梶 省吾(かじ せいご)
國村から、開かずの間には宇宙を模した物が閉じ込めてあり、桜海が幼少期に無自覚で作ったと聞かされる。無人の開かずの間が内側から閉まる場面に立ち会う。
次の『中央』代表として、1人生き残る役割を告げられる。しかしタイムリミットを迎える『開かずの間に閉じ込めた物』を3年間はまりかが守ってくれると予測。閉鎖の義の回避に関わる亥の巻の解読を買って出る。
以後、長年『中央』に関わってきた國村が隠してきた事情を聞き出し始める。
日本以外で『印章』を学ぶと起こる『印章のジンクス』を国外在住に起こし、親友を失いかけた事、そして日本でも印章のジンクスは起きるが見て見ぬ振りをしてきただけではないかと告げる。
國村を修治、松田を百音と呼ぶ。
生前のまりかとも交流があった。🔗ep梶
▶作中用語解説集はこちら
(抜粋)
印章(いんしょう)
上図は『秘匿』の印章。
誰しもが持つ『影響力』の平均値から外れ『自分もしくは他人に』『大きく影響を及ぼす状態』になった者の背後に現れる目には見えない円。大分類で12種類ある。影響力の使い方等は個人差がある。〜する、〜されるの形で現れる。
■干支の書(えとのしょ)
平安時代に於菟により書かれた12冊の書物。代表により発見された。第24話で最終巻の『亥の巻』は、ありとあらゆる禍の作り方が書かれた禁書であると明かされる。
閉鎖の義を行えば、於菟に関わる物は 今後60年間、視認出来なくなる。
その中には干支の書、13番目の印章、
宇宙を模した物も含まれる。
北、西、東の門を内側から閉じ、
実行した者はこの世から消滅する。
閉鎖の義は犠牲者三名を
出す事により
問題を未来に託す術である。
[サイドストーリー]
りんねサイド
臥待 鏡花(ふしまち きょうか)
古いマンションで一人暮らしをする中学1年生。本名は臥待鏡花。母親との関係、居場所のない学校。追い詰められた末、『秘匿』の印章で見た目を二十歳前後に変え「りんね」と名乗り、怜莉の部屋で暮らし始める。日に日に怜莉への依存心が強くなっている。
「鏡花である事」を明かせない中、16歳で結婚すれば法律上、大人になると知る。
母親のペンネームである「水野花」を本名と伝えていたが、水野花死去の設定を知り、動揺する。
八足と出会い、本来の中学生として塾に通おうとしたものの、「りんね」として怜莉と居る為、鏡花の存在を否定した。
後、怜莉に「おはよう。桜海くん」と云う等、混乱。「……私、誰だったの」と問いかける。🔗ep鏡花
怜莉サイド
橘 怜莉(たちばな れいり)
りんねに一緒に暮らす提案をした後、彼女が『秘匿』の影響力により、正体を隠していると知る。悩むものの、時折、りんねの見せる過去から保護心にも似た愛情を抱く。
職場である研究施設「中央」で閉鎖の義に伴う「死」の役割を割り当てられる。梶が予測した3年の猶予期間の間、補佐役として回避法を学び始める。
自身が『曝露』の影響力を無自覚に使ってきた過去に罪悪感を抱え、以来、封じてきたものの、次第に不安定さが見られる様になる。
影響力を『罪』と捉え『罰』を待つ一方で、りんねと名乗る「本来の彼女」との普通の暮らしも望む様になり、衝動的にプロポーズ。
「三年。待ってほしいの」と返事を貰う。
りんねが本名と伝えた「水野花」と同名のライターの存在を律経由で知る。🔗ep怜莉
水野 花
1984年生まれ。フリーペーパーのライター
2002年から、弟を亡くした体験を綴っていたが、ネットで炎上等、様々な状況を経て、連載を終了。自殺未遂後の2007年10月、死去が報告された。
正体は、娘になりすました鏡花の母親であり、現在は別のペンネームと設定を使っている。なお、鏡花が弟を亡くしたのは5歳の時だが水野花のエッセイでは15歳時の出来事とし、連載開始時の年齢を18歳としていた。
【各登場人物の個別動向】
朔 桜海(さく おうみ)
17歳時に開かずの間で幼馴染のまりかを亡くし、母親も同じ部屋で亡くしている。父でもある『中央』代表に事情を聞く前に代表は死去。
國村から「死」を伴う閉鎖の義を知らされ、怜莉にはりんねを遺してほしくない旨を伝える。
6歳を迎えて間もなく、白紙の亥の巻を見て、無自覚に『宇宙を模した物』を作ってしまった。しかし本人は覚えておらず、祖父母に引き取られ、東京に越す。以降、近隣に住むまりかを姉の様に慕ってきた。
まりかが東京を出て福岡の『中央』に務め始めると15歳で高校を中退し、桜海もまた仕事として中央に所属している。
國村 修治(くにむら しゅうじ)
梶と数カ月違いだが中央所属が認められた最古参であり、開かずの間と『中央』の補助施設『東睡』の管理者。
東睡では印章を持った不登校の小中生の塾を2001年から経営している。目的として桜海より歳下の『イブの印章』の持ち主捜しがあった。
母親(故人)は『秘匿』の影響の持ち主で水墨画家。代表の前妻であり、國村も幼少期から中央の秘密に関わってきた。桜海と異母兄弟だと最近になり、梶に伝えた。
代表の遺言、於菟に関する物を視認出来なくなる閉鎖の義を伝え、中央と心中する意思を怜莉と桜海に問う。
國村自身は回避策として於菟を捜している。
梶に情報を提供をし始めるものの単独行動を続けようとしている。
眞稲 まりか(まいな まりか)
2002年3月に亡くなってるが、2007年の開かずの間の異空間(人工の宇宙)に存在しており、桜海の立ち入りを禁じる様にドアを内側から閉め、封鎖した。
自死する1年前「中央に関わる人達から1年間、忘れられたい」と桜海に頼み、叶えてもらった。
アダムの印章の持ち主である桜海を誤認させる為、子供の時から知らぬ間に『イブ役』を任されており、故に桜海は6歳歳上のまりかに懐いて、執着している。
まりかもまた他人の役に立つという桜海の家の考えに囚われている。
松田 百音(まつだ もね)
『東睡』の事務員兼『中央』代表の秘書。本名は夏目百音。仕事では旧姓の松田を名乗っている。
國村と付き合っていた時期があり、國村の性格、生い立ち、『中央』についても知っている事は梶よりも多い。
千景と結婚、娘を産んだ後、突然、中央に呼び出される。代表から、お伽噺と思って良い話を聞かされ、開かずの間を封じる役として「百音か、まりかのどちらかに死んでほしい」と云われ、勝ち気な性格上、断っている。
夫である千景の意思に関係なく、中央の話や愚痴を訊かせている。
夏目 千景(なつめ ちかげ)
『中央』敷地内別棟『東睡』内の塾で講師として勤務している。塾では夏目先生と呼ばれている。
百音の歳下の夫で娘がいる。
『中央』自体とは関わりを持っていないが、塾での上司である國村以外の所属メンバーともやりとりはある。
生まれつき影響力を受けにくい体質であり、隠し部屋化していたにも関わらず、梶と國村の密談の場に入ってきてしまった。
この際、千景を中央に所属させたいと考えていた事、更には梶に任せると國村から伝えられた。
八足 独砂(やたり いっさ)
『中央』の補助施設『東睡』内の塾に通う中学三年生。不登校。共働きの両親と小学生の弟の4人家族。
作中で、とある未遂事件を起こすが、怜莉に対して持ってしまった異常感が理由と國村には伝えた。
偶然、鏡花と知り合い、自分の通う塾に興味を持った為、見学の段取りが組んだ。しかし鏡花が怜莉を見つけた瞬間「臥待鏡花なんていない」と立ち去ろうとし、引き止めたが失敗。
鏡花が抱き着いて泣きじゃく怜莉の影の中に一瞬、まりかと思われる女性の姿を見る。
市村 律(いちむら りつ)
怜莉に、りんねとの関わり方の問題点を指摘する。
普通の職場ではない『中央』に就職し、世俗の人間関係を断っている怜莉に思うところがある。
本来の旅館の跡継ぎであった妻の禾乃を大きな事故で亡くしている。全国誌に手記を寄せた経緯から、律に話を訊いて貰いたい人々が日々訪れ、話を聞く仕事をしている。
怜莉と桜海を自身の勤め先の旅館の昼食に招待し、桜海とも親しくなった。
代表/朔 四弦(さく しげん)
『中央』の代表。桜海と修治の父親。前妻の居た事、長男である修治の事を周囲に伝えずにいた。
ツル/椿瑠院(つるいん)
『東睡』の前任の管理者の尼僧。修治曰く育ての親。鬼籍。
朔 初佳(さく はつか)
桜海の母親。(故人)
まりかの母親である円を姫と呼んで、姫の役に立つ事を生き甲斐にしてきた。円の結婚、出産に反対し、自分は代表に嫁ぐと云った。所謂、押しかけ女房。
■於菟(おと)
干支の書の作者。平安時代の人物。第17話で平安の世から現下もなお生き続けていると國村と梶が推測し、第23話では於菟は不老不死というよりも、ちゃんと死んで、ちゃんと生きていると梶が更に推測している。
夏目 莉恋(なつめ りこ)
夏目夫妻の娘。小学2年生。8歳。金髪のふわふわした髪をしている。ロバが大好き。
セリ/芹沢 希与(せりざわ きよ)
[茉莉]と一緒にスナック『Indo』で働いていたホステス。後に看護師に復職。鏡花を源氏名である茉莉と呼び、姉の様に世話を焼く存在。
真屋 現保(まや ありやす)
鏡花が水野花の名前で働く、真屋治療院のきゆう師。りんねと怜莉双方と連絡が取れる唯一の人物。
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【関係図】
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