物書きの備忘貼
■臥待鏡花と後の祭り【Original Sin】
「怜莉と同等程度の影響力。
要するに御伽話と思っていい。
強い『秘匿』は自身の見た目すら変えてしまう。
正体が鶴やら狐やらは誇張が過ぎるけども」
臥待 鏡花 ふしまち きょうか
1994.12.08
何故、長く、ややこしく、エンターテインメント性に欠ける話を書いているのか。原因は「わたし」にあります。
ー臥待 鏡花はわたしの「if」ー
彼女は提議する存在です。
自身と置き換えたい主人公。理解してくれる周囲。都合の良い展開に対するアンチテーゼです。
鏡花は「秘匿の影響」の持ち主。
イメージイラストは鏡花の仮の姿「りんね」です。実際は12歳。中学生の鏡花は、複数の名前と設定を使い分け、見た目を20歳前後へと変え、日々を過ごしています。
怜莉くんの解説頁にも書きましたが、物語の背景にはあるのはSNS。
鏡花の仮の姿の「りんね」「茉莉」「水野花」はそれぞれが異なる、擬態アカウントの様な物。しかし中の人は一緒。同一人物です。
「りんね」は怜莉とのやりとりをスムーズにする為に作られたアカウントといえば、少しは解釈がし易いでしょうか。
実際の見た目まで変わっているのはシンデレラテクノロジーモチーフです。
りんねにとって、怜莉は都合が良過ぎる他者です。衣食住を与えてくれる。一緒に居て、好意を示してくれる。でも、それは、鏡花に、ではありません。
正体を「秘匿」している。騙しているのは彼女です。
また、騙されているのは怜莉くんだけではありません。多くの大人が子供の鏡花に騙されているのです。
再確認の【臥待 鏡花】のプロフィール
- 誕生日 1994年12月8日
- 髪色 灰色
- 身長 154cm(2007年春時点)
- 好きな色 赤
- 好きな食べ物 チョコレート(後にピザも)
- 好きな生き物 蟹(後に兎も)
- 趣味 特に無し
この物語は「茉莉」を名乗っていた鏡花が、お盆に袈裟を着た怜莉と出会うところから始まります。
茉莉の由来は後の祭り。後悔、手遅れの意味する諺。
祇園祭の後祭を指し、前祭の賑やかさに対し、静かな後祭、ピークは前祭との考えからきて、諸説ありのもう一説。
亡くなった後の葬儀、法事を盛大に行っても仕方がない。もう世に居ない人。今更、手厚くしようと生き返る訳でもなくて、手遅れでしょうという説です。
そんな彼女が怜莉に本名と告げた名前がりんね。テオブロマ カカオ リンネ。好きな食べ物、チョコレートの原材料、カカオの学名です。
こういう具合に仮の姿を幾つも持つ鏡花の本当の誕生日。
1994年12月8日
Windows95と、テレホーダイの開始に合わせて1995年生まれとするところを敢えて1994年にしました。
彼女には1995年の始まりから日本を見て欲しかったので。
12月8日は彫刻家カミーユ・クローデルの誕生日。残念ながら作品は自身により破壊され、ほぼ残っていません。また日本で映画グレムリンが公開された日。それから正月を祭事とした場合の事始めです。
最後になりましたが、臥待鏡花の名前自体は、鏡花水月から来ています。実体が無く美しくも虚しい。鏡花と怜莉は知り合えず、話は進んでいくのです。
冒頭のセリフにある様、まるで御伽話。鏡花ではない「りんね」は20歳前後の女性をイメージして頂けると助かります。
多くの人が「共感」に振り回されている中で、他者から理想の自分を得ようとする中で、鏡に映るのは「わたし」でしかありません。
物語のキーワードとして、鏡を置いています。
月橘の話等、書き足らずのまま。
鏡花あるいは、りんねに関しては、複雑過ぎて、この複雑な物語を見てもらうしかない様です。
連載小説▶Original Sin
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