★11.ハーロウの絶望の淵
【(雑)学解説集】
ハリー・ハーロウ。【愛着実験】を行ったアメリカの心理学者です。
彼は、生後間もない仔猿を親から引き離して、代理母実験を行いました。
①哺乳瓶を取り付けた【針金の母】
②哺乳瓶はなく、タオルで覆い、猿に似せた【布の母】
どちらに仔猿は懐くのだろう。
結果、仔猿は『針金の母』の哺乳瓶でミルクを得て空腹を満たすと『布の母』に抱き着き続けました。
此の実験は、感染症の懸念から母子の接触は推奨されず(強いては愛情は悪影響とまでも云われ)、母とは栄養を与える為の存在とされた『時代の常識』を覆す、大きな貢献となりました。
しかし結果を経て、ハーロウは更に踏み込み、閲覧注意の残酷な実験を次々と行い続けていきます。
実験はやがて【絶望の淵】という器具を作り出すに到ります。
逆ピラミッド型の器具に仔猿を入れ、仔猿は最初こそ、斜面を登って逃げようとするのですが、
一瞬だけ外が見えると滑り落ち、決して出られる事はない。
人為的に作り出された完全な孤独。そして絶望を与えられた仔猿はやがて(本当に自粛)。
こうしたハーロウの実験は、
接触による安心が子供のメンタルに大きく影響すると証明し、『愛着理論』の根拠となる一方で、アメリカでの動物解放運動のきっかけもまた生み出していきました。
センシティブな内容の為、此処で詳細を語る事は難しいので、興味と耐性のある方は【愛着実験】【モンスターマザー】【絶望の淵】辺りを調べてみてください。
何よりハーロウの生い立ちを知れば更に興味深いものとなります。
参照動画
(初回放送日: 2021年3月25日)
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