★19.リングワンダリング【(雑)学解説集】
リングワンダリング(Ringwanderung)とは、Ring→輪 wanderung→彷徨う を合わせた和製英語。和製ドイツ語ではRingwanderung となります。
日本語にすると、輪形彷徨、環形彷徨。
主に雪山での山岳遭難(気象遭難)の記事で見聞きする言葉と思います。その為、登山用語との紹介もあります。
吹雪、濃霧、暗夜等で視界を奪われ、また目標物も見つけられず、雪原や平原を歩くうちに、向かう方向感覚を失い、円を描く様に同じ場所を何度も彷徨い続ける。これがワンダリングワンダ。
ホワイトアウトや八甲田雪中行軍遭難事件が有名の為、雪山を想像されるかもしれませんが、条件が悪ければ、平野や沙漠でも起こる次第です。
各地方にある「狐や狸に騙された」との道迷いの昔話は、周辺にランドマークや灯りのなかった時代故のワンダリングワンダなのかもしれません。
狐といえば、矛盾脱衣を「狐の風呂桶に入る」と表現する地域があるらしく。
此処で軽く関連ワードに(雑に)触れておきます。
・低体温症−生体活動の維持出来る体温35度以下を下回った時に起こる、死に繋がる身体の異変。症状。
・矛盾脱衣−外気温により、体温低下の状態となった際、体内を温める様とする生命維持機能(異常代謝)が引き起こされ、暑いと誤認して着衣を脱いでしまう異常行動。
で。もし山岳遭難に興味のある方でしたら、続きは是非、山岳遭難史で検索してみてください。
一部、主題とはズレますが、三八豪雪と五六豪雪も興味深いかもしれません。
さて、話を一旦、戻します。
日本での沙漠の遭難といえば、1952年4月9日のもく星号墜落事故。
羽田発の大阪経由福岡空港行きの日本航空301便が消息を立ち、同僚機のてんおう星号によって、翌日、伊豆大島の三原山、裏砂漠に墜落しているのが発見された航空事故です。
実は此処は唯一、日本で「砂漠」という名称を持つ沙漠。
月と砂漠ライン入り口から、徒歩で裏砂漠へ向かうと『もく星号遭難の地』の慰霊碑があります。
遭難とは命に関わる災難に遭う事。
山、あるいは海のイメージが強い遭難ですが、意外と何処でも遭難してしまえるのは、
更に話を戻して『流転輪廻』という仏語にある様に、
生死を繰り返し、廻り、迷い、彷徨い続ける事もまた、リングワンダリングなのかもしれません。
因みにいつもの余計な余談。わたしは正式な地名以外では沙漠表記のほうが好みです。
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