prologue



間違えたのは、いつからだろう。


 

クリスマスの夜はとても騒がしく


わたしはいつものように隅


目の前に並べられたプレゼントはどれも
包装されておらず
好きなものを選べるという


誰かしら
片方のはさみのない白い蟹がいると
小さなストラップに手を伸ばす


子供達はあきらかなハズレをみつけて騒ぎ出し


大人達も揃えた数を埋めるものをみつけられずに

大勢は一斉に悩み出し


けれども予定通りにじゃんけんは始まり


わたしは


あっさりと最初に勝ってしまって


片方のはさみのない白い蟹を選ぶ


すると


望むままに辺りは静かになるけれども
視線をどうしたら良いのかもわからないまま


わたしはいつものように隅


何度推してもいいボタン

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