prologue
間違えたのは、いつからだろう。
クリスマスの夜はとても騒がしく
わたしはいつものように隅
目の前に並べられたプレゼントはどれも
包装されておらず
好きなものを選べるという
誰かしら
片方のはさみのない白い蟹がいると
小さなストラップに手を伸ばす
子供達はあきらかなハズレをみつけて騒ぎ出し
大人達も揃えた数を埋めるものをみつけられずに
大勢は一斉に悩み出し
けれども予定通りにじゃんけんは始まり
わたしは
あっさりと最初に勝ってしまって
片方のはさみのない白い蟹を選ぶ
すると
望むままに辺りは静かになるけれども
視線をどうしたら良いのかもわからないまま
わたしはいつものように隅
何度推してもいいボタン
わんわん数: 705