Diary
期待個体
君がわたしを理解したと思う時
それはもういまのわたしじゃない
起きて冬
一度は秋
昼間は夏
夕にも秋
深夜は冬
子供も大人も居ない狭い公園
ブランコのチェーンに指を絡ませて
ひとり座って
冷えた風と引いた風邪
凍る様に吐いた息も熱を帯びて
わたしはやはり自由なのだと
指先を温めながら
誰でもない
夜が明けるまで影もない
昨日のわたしは伝え終えて明日はもう
誰もわたしを予測出来ないだろうけど
楽しんで
わたしは違うわたしでいられる日々に
意味があって未だ世界に用があるから2024-11-07 13:34:07
ボストンでは禁止
夏に似て
浸かる水は温く
アスファルトは
裸足を焼いて
飛行機のない高い空
積乱雲
季節に向かう渡り鳥
思考も思惟も
伝わらず
誰もわたしを
知らないで
言葉だけは秋になる
ボストンでは禁止って
思い出して
だったらわたしは
結局誰
誰か教えて
気温30度に熱される10月も
予定通り
季節通り
あの日の未来は
正しく寂しい2024-10-05 00:55:21
神様のスプーン
午前零時の過ぎた頃
居ない君に開放感
知っている
悪い子じゃないって
だからこそ
疲れ果てて
一週間もの人嫌い
嘘を吐いて
やり過ごしているばかり
本音に嫌気が差しては
好きなものを
どんどん増やして
常に君は虚偽耐性
僕は投げた匙を拾わない
お人好しには暇も力も
ないからさ2024-06-17 00:47:32
夏の朔日
空気感
陽の昇る地点
目が覚めても夜側に残り
夏の気配
湿度に記憶を呼び起こされる
寂しいと思うのは
1999年前後に置いてきた
誰の話
手を伸ばす2024年6月に
水の入ったいつものグラス
わたしは飲みかけて机に戻す
微睡む時間は未だ足らないと2024-06-02 16:24:20
冬生まれのベロニカ
以下。
調べ事を羅列して。
1910年のハレー彗星。
コミュケーションの主観性。
朝、起きる為にペンを置く。
夜、眠る為にペンを取る。
共有の意図は常時不在。
以下。
半端者を良として。2024-05-18 23:23:09
そうそう。
集めるべきはお金ではなくて
思い出や縁を含む愛着のほうなんだよ
愛や執着じゃないよ
でも愛着って難しいんだよね
毒だからね
なので
集めたものをコントロールして
本来向けられたものへと
きちんと還元出来る
技術と知識と畏怖と敬意
を持った人間が必要になってくる
敬意って言葉じゃ軽過ぎるのは置いておいて
集める技術や意味じゃなくて
何でもそうだけど
集めた後が大変なんだよ
特に
不特定多数の思惟や感情、欲
なんて辺りね
と寝ずの早朝
わたしはあなたにお話しました2024-05-11 05:00:50
次の春の終わりに
この世界で
要らないとされたものを
されていくものを
出来るだけ
伝えて残していきたい
落ちた花弁を拾う様に
いずれ多くが無くすものを
ここにある浅知恵を
次の春の終わりに
また次の春が来なくても
彩らない木々の元で
わたしたちの選択の結果が
いつまでも未来になって
もう遥か忘れられる過去となって
だから例えばわたしは
次の春の終わりを
まるで見たとばかりに2024-04-02 01:51:30
Untitled
小さな頃に
小さな手で
朝と夕に祈ったことを思い出す。
「どうか神様。誰にも見つかりません様」
小さな頃に小さな手で
朝と夕に祈ったことを翻す。
「どうか神様。わたしをちゃんと知ってほしい。
どうか神様。わたしはもう諦めたから」2024-03-26 05:26:58
鏡の時間。
わたしね。
(ヴィンテージになった調度品の)
例えば
明治時代に使われていた鏡をみると
「わたしを映す未来なんて知っていたの」
って
思わず尋ねる様に
(過去の現在地点を通過する)
鏡の向こうのわたしに訊ねてしまう。2024-03-07 01:43:42
軋む
今年もまた
誕生日おめでとう
って言えなくて
もう一年だけ
生きてみよう
って思っている
今年もまた
目を閉じると、世界の軋む音が聞こえる2024-02-28 03:01:12